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リウマチ医療と自己決定権 [リウマチ関連]

自己決定権は1980年代に確立された権利で、国連の委員会で遵守が勧告されました。

医療の現場では「患者の権利」の重要な部分を構成するものです。

医療における自己決定権といえば、インフォームドコンセントが有名です。患者やその家族には、これは治療が失敗した時の医療訴訟に関する医師防衛の手続きのように思っている人が多いのですが、実際は自己決定権に関する手続きです。

インフォームドコンセントは、医師が自分の知識、経験、技量などから、推薦する治療法を提示し、患者がその治療法を行う決定をする判断材料にしてもらうという手続きです。治療法を提示するときに、その治療の効果などの患者の利益とともに、代替治療法や、薬剤の副作用や術式の危険性などの患者の不利益になることもできるだけ患者に提示して、判断材料にしてもらいます。

その結果、その推薦された治療をそのまま行うか、一部または全部で別の治療を行うか、治療を行わないか、医師を変えるかなどの決定は患者が行います。これが患者が持つ自己決定権です。

古いタイプの老医師は、こうした権利をあまり知らなかったり、昔の治療法(医師が治療法を全て決める)に慣れていたりして、治療法や転医に関して未だにトラブルもあるようです。

リウマチ治療に関しても、どのような治療をおこなうかは患者が決める権利があり、医師はその決定のために必要な助言をする義務があります。

例えば、自然療法とか言われる、抗リウマチ薬を用いない治療法を患者が選んでも、それは患者の権利なので、医師はそれを否定することはできません。

さらに、医療における自己決定権に関して、医師が行う助言には、未確定の治療法は含んではいけません。自然療法は未確定の治療法なので、医師はそれの実施や非実施のいずれの助言もできませんし、コメントもできません。

もし患者が「今のリウマチ治療をやめて、自然療法をしたいのですが」と医師に相談しても、医師はそれに対する助言はできず、要するに「やめといた方がいいですよ」とは言えないのです。

せいぜい「痛くなったらまたいつでも来てくださいね」くらいしか言えません。

また、ネットでリウマチに効くというサプリを見つけて飲んでみたいという相談には、そのサプリは確定している治療法ではないので、医師は助言ができません。ただ、現在の治療を阻害する成分が入っていれば、そのことを患者に説明して、飲まないことを推薦することはできます。

今のステロイドの量を減らしたい、というようなことに関しては、未確定の治療法ではないため、医師の助言を得られます。医師は減薬のメリットデメリットを説明し、自ら推薦する方法を助言します。その結果、医師はまだ減薬は早いと判断し、現状維持を推薦したとしても、患者が減薬を決定したら、医師はその決定を尊重して治療を行わなければなりません。

自己決定権は患者の権利ですが、その権利の行使のためには、主治医との信頼関係と、自己責任能力が必要です。



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